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本日(12/4)、川崎市民ミュージアムで開催されている「竹宮惠子監修 原画’(ダッシュ)展示シリーズ 『青年マンガの世界』開催期間:10/8~12/11)関連イベント「村上もとか×竹宮惠子トークショー」」に行ってきました。

「原画'(ダッシュ)」は、マンガ原稿を精密にスキャニングし、印刷状態を実物と見分けがつかないレベルにまで精密に調整した複製原稿です。竹宮先生が中心となり、大日本印刷と共同で開発したものとのことです。

マンガの原稿は、印刷されることを前提とし基本的に一般の読者にそのまま見せることは想定されていません。
実際には、切り貼りされていたり、スクリーントーンが重ねて張られていたり、また、作家によっては、褪色しやすい絵の具などが使われているため、当初の状態から劣化していきます。また、マンガ関連の展示会などでは、よく生原稿が展示されますが、照明や展示場所の温度、湿度の影響によって褪色したり、トーンが変形したりして劣化することがあります。

これに対し原画'(ダッシュ)はその時点での原稿を正確に記録するため、経年変化により劣化した原稿の当初の状態を見ることができます。また、普通のマンガ雑誌などでは、高精細な印刷ではないため、線がつぶれたり、かすれたりして、原稿での繊細な表現を見ることはできませんが、原画'(ダッシュ)では実際の原稿での表現を見ることができます。
確かに実物を見れれば一番良いかもしれませんが、貴重な原稿を保存するため公開や研究に原画'(ダッシュ)を活用するのは良い方法だと思います。

今回の展示会は、竹宮先生の他、平田弘史先生、ながやす巧先生、村上もとか先生の原画の原画'(ダッシュ)が公開されています。正直に言うと、原画を見たことがないので、原画'(ダッシュ)がどこまですごいかはわかりませんでした。できたら、出版された雑誌や単行本の当該頁を横に展示してくれたら、違いがわかって良かったかもしれませんね。

複製ができるということは、出版社や作者にとっては気持ち良くないという面もあるようです。しかし、生原稿は、慎重に保管していても必ず経時変化していくので、個人的には原画'(ダッシュ)のような活動はぜひ進めていただきたいと思います。マンガコンテンツは、本当に人類の宝物ですから。

さて、「村上もとか×竹宮惠子トークショー」は、今回の展示会の関連イベントとして企画されたものです。私は村上先生の大ファン(自称)で、六三四の剣は今でも繰り返し読んでいる愛読書です。先生の描く女の子も大好きです。また。竹宮先生も、先生がCOMに投稿されていた頃からのファンです。恥じらう微妙な時期の少年の姿がなんともいい感じでしたね。「これは、絶対に行かねば!」と思い、勇んで会場に向かいました。

お二人のお話は、原画'(ダッシュ)の事、発表されてきた作品の事の他、マンガ表現や使用するペン先の事など
大変興味深いものでした。旅が好き、飽きやすいので新しいテーマで作品を創作するなど、お二人の共通点も紹介されていました。最後に、サイン会が開かれ、私もサインをいただきました。ほんのちょっとでしたが、お話しをすることもできました。本当に感動しました。いや~。人生何があるかわからんものですね。

余談ですが、今回のイベントには、結構ベテランのファンが多かったようです。女性が多かったかな。互いに長い間ファンをやってきたためか、なんとなく他人のような気がしなくて、近くの人とお話ししてしまいました。これも良い経験でした。